宇多丸　「はだしのゲン」の教材掲載取りやめに「別の意図があるんじゃないかって感じちゃいます」

宇多丸　「はだしのゲン」の教材掲載取りやめに「別の意図があるんじゃないかって感じちゃいます」

　ラッパーでヒップホップグループ「RHYMESTER」のMC・宇多丸（53）が）が17日放送のTOKYO MX「バラいろダンディ」（月～金曜後8・30）に出演。広島市立の小中高校が取り組む「平和教育プログラム」の教材から、漫画「はだしのゲン」の掲載がなくなることについて言及した。

　宇多丸は「RHYMESTER」の楽曲「B-BOYイズム」など数曲で「はだしのゲン」について引用している。

　掲載がなくなるのは小学校低学年の3年生の教材で、ゲンたちが、身重の母親のために浪曲のまねごとをしてお金を稼ぎ、栄養不足を補うために食べさせようと池でコイを釣る場面を引用しているが、浪曲の説明や、なぜコイを盗まなければならないか、などの説明にさらに教材が必要との理由で見送られることになった。

　宇多丸は「小3にわかるか分からないかが議論になっているから、もちろん『はだしのゲン』の作品的価値をおっしゃっているのではないというのは重々承知の上で」と言いながらも「でも小3くらいの時にガツンとゲンをかましておくというのは大事だと思うんだよなあ。漫画だから手に取っちゃうし、最初は明るいタッチだから、どんどん感情移入して読んでいくうちに、あんな出来事が起こって、というので…。やっぱり『はだしのゲン』があるからこそ、被爆国として直接体験していなくても学べる事いっぱいある。ハリウッド映画の原爆描写で『なんだこれ』と思うのも、ゲンで知っているからじゃないですか。だから、何か…ゲンでいいのにな。年なんか関係ないよ！」と語った。

　さらに「昔の話だって、こっちだって分かって読んでいるんだから。子供だってバカじゃないんだから。じゃあドラえもんに出てくる土管なんなのさ、とかさ。あんなものないんだから。だから別の意図があるんじゃないかって感じちゃいます」と疑問を呈していた。